2012.08.18
戦前に活動した画家であり詩人の村山槐多氏をご存知でしょうか。なんでも鑑定団にも作品が出品され、3千万円の価値がついたそうです。
そんな村山槐多の一番好きな詩を紹介します。
「一本のガランス」
ためらふな、恥ぢるな
まつすぐにゆけ
汝のガランスのチユーブをとつて
汝のパレツトに直角に突き出し
まつすぐにしぼれ
そのガランスをまつすぐに塗れ
生のみに活々と塗れ
一本のガランスをつくせよ
空もガランスに塗れ
木もガランスに描け
草もガランスにかけ
魔羅をもガランスにて描き奉れ
神をもガランスにて描き奉れ
ためらふな、恥ぢるな
まっすぐにゆけ
汝の貧乏を
一本のガランスにて塗りかくせ。
※ガランスとは朱色(赤色)のこと
若干22歳でこの世をさった氏の、まさにまっすぐに短く生きた人生を象徴しているような内容です。
ガランスで染める=生きている証である血の色で染める。
そう解釈もできます。
現代的ではないかもしれません。
しかしながら、単純な精神論でもないように感じます。
心に迷いがあったり、悩みがあったり、進むべき道を迷ったり、自信をなくしたり、
鬱やらストレスやら、スランプやらなんやらがひしめくこの世界で、
ふと、この力強い詩を思い出してみてください。
戦前の混沌とした社会の中で、しっかりとした道筋を示しているこの詩は、
力強さだけではなく、生きていく指針をも示していると思います。
皆様にも、そんな詩ってあると思います。是非、参考になればと思います。
本日は、丸毛が担当しました。