2016.03.04

一応京都市内。山中を駆け抜ける「国道477号線」の旅。

ROUTE477

画像:wikipedia

みなさま、こんばんは。

突然ですが、「国道477号線」をご存知ですか?

歴とした京都市内を通る国道ですが、京都市民の方にはあまり縁が無い道路かもしれません。なぜならルートが非常にマニアックなのです。滋賀県大津市から途中峠を越えて京都市左京区大原に入ったあと、大原小出石町、大原百井町と大原の中でも北部のみを通り(百井峠は標高741mもあります。)、鞍馬よりさらに奥、「山の家」がある左京区花背を通過し、右京区京北町に入り、国道162号線と交差し、南丹市八木町へ向かいます。

ちなみに「477」とはずいぶん大きな数字ですが、国道は現在、1号から507号まであります。一般的に数字が大きくなるほど、国道指定年月が遅くなりますので、道路としての歴史、重要性、整備状況などが劣る傾向があるようです。なお、国道451号線から507号線までが直近で指定された最新の国道で、1993年4月に指定施行されました。また国道は507本あるわけではなく、59号から100号、109号、110号、111号、214号、215号、216号の48本は欠番となっていますので、実際にある国道は459本です。

ついでに京都市内を通る国道は、1号、8号、9号、24号、162号、171号、367号、477号、478号の9本があり、京都市は1桁国道が3本も通っている東京と比肩する国道エリートでもあります(東京は1号、4号、6号が通っています)。

 

少し前置きが長くなりましたが、今日はその「国道477号線」に注目してみたいと思います。

実はこの国道477号線は国道マニアの間ではかなり有名で、非常に難路が多くいわゆる「酷道(こくどう)」の代名詞となっています。

大原百井町

画像:wikipedia

左京区大原百井町付近。大原は南から戸寺町、井手町、上野町、野村町、大長瀬町、草生町、勝林院町、来迎院町、古知平町、小出石町、百井町、大見町、尾越町と13の町がありますが、百井町、大見町、尾越町は鯖街道(国道367号線)から西の山中奥深くに入っていった場所なので、滅多に人が近づかない場所です(もし住人の方が読んでおられたら申し訳ございませんが・・)。冬は雪が1メートルも積り、冬の間根雪が溶けないような場所です。写真にも積雪が残っていますね。おそらくこれは春先の3月、4月ごろだと思います。

最近になって、鯖街道(国道367号線)から分岐する小出石バイパス~小出石町内の間では2車線道路が整備されずいぶん走りやすくなりましたが、その先は依然、勾配10%以上の強烈な坂道、離合困難な道幅の道路が延々と続きます。写真の箇所では誤って道から転落しても田んぼなので大丈夫ですが、ここに至る前後の登山道では脇は断崖絶壁でガードレールもない場所もありますので要注意です。

百井別れ

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これまた(マニアの間では)有名な、「百井別れ」の180度カーブ。国道は右下(百井方面)から左上(花背方面)へと続きます。手前は鞍馬方面です。どちらの道から来ても、道なりは鞍馬方面で、道路標示板も分かりにくいので、だいたいの人が間違います。国道制覇を目的とする人には嫌なトラップです。そして右下から左上へは切り返しなしに行くのが非常に困難です。軽自動車など小回りがきけば何とかなるかもしれませんが、普通車ではまず難しいです。マイクロバスなどになると果たして通過できるのかも疑問なレベルです。この「百井別れ」の前後もかなりの難所で、急峻かつ狭隘な悪路が続き、ガードレール無、一部舗装無しの山林の中を突き進みます。冬は雪が積もり、道が分からなくなるので絶対に通ってはいけません。

崩落

画像:wikipedia

そして、極めつけはこういった土砂災害です。私も一度国道制覇をしようとした際にこれに阻まれました。写真は三重県三重郡菰野町の御在所岳南面の崩落箇所です。他にも兵庫県内や京都市~亀岡市間でもここ数年間の間に土砂崩れがありました。しかも被害が大規模であったり、復旧作業が難しい場所であったり、交通量が少なく優先度が低いためか一度通行止めになると半年や一年間は通れなくなることも多々あります。477号線を制覇する際には事前調査が必要不可欠です。

ちなみに先ほどから当たり前のように使っている「国道制覇」というのは、国道の始点から終点までを車などで完走することを指しています。なお定義によっては、一方向に通過しなければいけない、とかバイパスも含めて全ての指定道路(総延長)を走破しなければいけないといった説もあります。

このよう愛すべき国道477号線を皆様もぜひ一度制覇してみてはいかがでしょうか。

 

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