2016.05.26

京都の宿泊需要を満たす。ゲストハウスと民泊の違いとは??

ゲストハウス

こんにちは。辻です。

5月も後半になり、すでに夏のような暑さですね。

いつの間にこんなに暑くなったのか・・時間が経つのが速すぎて恐ろしい限りです。

皆様も熱中症にならないようにこまめな水分補給をお心がけください。

「ゲストハウス」と「民泊」の違い

さて、テナント業をしていると非常に問い合わせの多い、「ゲストハウス」。

また昨今ニュースでよく話題になる「民泊」。

不動産業界に居てもよく混同されて使われていますが、両者の違いとはいったい何なのでしょうか??

施設としての違い

まず、根本的にゲストハウス(簡易宿所)は「宿泊施設」、民泊は「賃貸借契約利用施設」です。

ゲストハウスは旅館業法の範疇ですが、民泊は民法・借地借家法の範疇です。

つまり、宿泊する際に取り交わす契約方法が異なってきます。

場所・適用法令・宿泊日数・設備・広さの違い

また、それ以外の違いを列挙すると、

ゲストハウス:日本全国どこでも運営可能⇔民泊:一部の国家戦略特別区域内でのみ運営可能

ゲストハウス:旅館業許可申請が必要⇔民泊:旅館業法の適用除外申請を行う

ゲストハウス:1泊から宿泊可能⇔民泊:7日以上でなければ宿泊できない

ゲストハウス:帳場(カウンター)が必要⇔民泊:帳場は不要

ゲストハウス:1名あたり3.3㎡⇔民泊:25㎡以上

といった違いがあります。

なお、民泊を営業することができる、「国家戦略特別区域」は、平成28年5月現在、

東京都大田区(運用済)、大阪府(平成28年4月から運用)の2地域のみ、大阪市が平成28年10月以降、運用予定となっています。

「ゲストハウス」「民泊」の違法性

テナント業者からみると、「ゲストハウス」も「民泊」も違法性がありそうで、正直なんとなく手を出したくない領域ではあります。

「違法性」とは、ゲストハウスの場合、旅館業法許可申請を取っていないこと。

具体的には帳場を設けていないとか広さの要件を満たしていないなど、既存の建物(マンション・アパートや民家など)を改修せずにそのまま使うことによって起こりうる違法性があります。

対して、民泊の場合は、国家戦略特別区域外では出来ないので、そもそも京都では営業できません。

特区内であっても、旅館業法上の適用除外申請を行っていない、宿泊日数の要件を満たさない、広さの要件を満たさない、などが考えられます。

いわゆる「ゲストハウス」

例えば、民家を賃借してゲストハウスとして運用したいといったケースをよく伺いますが、

旅館業法の許可を取れなければ、それはゲストハウスとは呼べませんし、

民泊として行おうにも、現状、上記3地域の国家戦略特別区以外では不可能です。

ゲストハウス運営のリスクを認識する必要

以上から、京都でマンションの一室を借りて、宿泊客に貸し出し、料金を取る行為は、「ゲストハウス」でも「民泊」でも無い違法行為です。

知人に、一日だけ、自分が賃借している部屋を貸してお金を受け取る行為であれば、旅館業では無いので違法性はありませんが、不特定多数の人間に繰り返し行っていれば(業として行っていれば)、旅館業法に抵触します。

賃借人は賃料より多く売上げが上がることで利益を出し、賃貸人はそれに応じて相場より高い賃料がもらえ、宿泊客はホテルや旅館より安い賃料で泊まれる。

三者にとってはいい話ばかりですが、その反面、正式な営業許可を取って旅館業を行っている宿泊施設には経営的な打撃を与え、ひいてはサービスの低下につながる。

またそういったいわゆる「ゲストハウス」では近隣住民とのトラブル、防犯上、防災上のリスクも多数あります。

ゲストハウスの運営について

今回はゲストハウスのネガティブな側面ばかりを挙げましたが、

京都においても宿泊施設の不足は切実な問題であり、京都に泊まりたいがホテルに空きがない、値段が高すぎる、などせっかくの観光需要を取りこぼしている現実があります。

そういった方たちのために安くで泊まれる「ゲストハウス」は必要であり、法に則り、多額の改装費用をかけてゲストハウスを運営したいというお客様も多くいらっしゃいます。

我々、仲介業者が出来ることは、適法にゲストハウスを運営する意欲のあるお客様に旅館業法の範囲まで含めた適切なアドバイスをすることだと思います。

本日は辻が担当しました!

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