2016.06.17
京都も蒸し暑い季節になってきました。夏を迎えると、京都では7月いっぱいに祇園祭をしたり、川床もありますし、いろんなイベントが目白押しですが、今回はその中でもメインイベントともいえる、京都の山々が火の色に染まる、「五山の送り火」情報をお送りします。
京都テレビでも生中継される五山の送り火ですが、太陽が沈むころから、京都の人々や京都に観光に来てる人たちがそわそわし始めます。
五山の送り火は午後8時からスタートですので、皆さんは、それぞれ思い思いの場所に陣取って、観覧する準備を始めます。
そもそも送り火を行うのはなぜでしょうか。
大文字送り火には、昔から護摩木に自分の名前と病名を書いたものを焚くと、その病気が治るという信仰から始まったといわれています。
すなわち!送り火に使う護摩木には、たくさんの人の健康を願う思いが込められているのです。
これには、実際に今を生きている人のみならず、先祖の霊も盆の期間帰省していることから、生存者と先祖の無事息災の願いも込められています。
この大文字、なぜここなのかというのは、いろいろな説がありますが、一番は京都市内のどこからでも見えるというのが基準になったのではないかと思われます。
例えば、上賀茂橋。ここでは、大文字が賀茂川に映るきれいな場面がみられるそうです。遠く離れた南区からも場所によっては見えるので、眺望が一番の決め手ではないでしょうか。
大文字点火の数分後に、妙法の送り火に点火されます。涌泉寺及び妙円寺の各寺の檀家の人々は、当日朝に墓参りをし、盆に帰省していた先祖を見送るといいます。
尚、送り火が終了したあとの午後9時頃からは、涌泉寺にて、「題目踊」「さし踊」という行事が行われるそうです。
大文字、妙法に続いて、今度は西賀茂の船形に点火されます。
ここでは、山のふもとの約55軒の旧家より、約50人前後の人々が西方寺に集まり、当日朝から割木などを山上へ運び点火準備を進めます。
やがて西方寺の鐘の合図により点火され、住職の読経が行われます。
送り火のあとは、西方寺にて六斎念仏が行われるそうです。
船形に続いては、大文字のもうひとつ、左大文字に点火されます。
ここでは、コンクリートの火床が使用されています。
送り火の親火台で護摩木が焚かれ、先祖の霊をなぐさめる点火法要が行われ、その火で丈余の親火松明と手松明が灯されて、山上へ運ばれ、山上の送り火が点火されるという流れになっており、先祖の霊を送り出しています。
五山の送り火もいよいよクライマックスです。
最後には、鳥居形に点火されます。
昔とは異なる形になったそうですが、今は鉄製の受け皿にある火床に松明を突き刺して点火するようです。
当日の朝から山上へと薪が運ばれ、点火準備を夕方から行い、点火しています。
京都の送り火、今では五山になっていますが、実は昔はもっとありました。
い(市原野)
ー(鳴滝)
竹の先に鈴(西山)
蛇(北嵯峨)
長刀(観空寺村)などだそうですが、比較的早い段階で廃絶していったそうです。
本来の送り火は、15日の盆の翌日に、先祖を送るという仏教的な行事です。
今でも当然ながらそういった意味合いは深いですが、京都に来れれる人にとっては観光の目玉という感じではないでしょうか。
実は、私の家からは、五山すべてが見渡せます(笑)
なんてすばらしい家なんだ(笑)
365日ある一年のうち、わずか1日だけの行事ですが、私自身は五山の送り火が好きなので、ものすごく親近感がわいています(>_<)
皆様も思い思いに、五山の送り火を楽しんでください!
そして、先祖を平穏無事に送りだしましょう!
本日は丸毛が担当しました。