2016.02.26
写真:石清水八幡宮ホームページ
国宝の数が一番多い都道府県別はどこでしょうか。
この2月に京都府八幡市の「石清水八幡宮」の本殿など10棟が国宝に指定され、「棟数」では京都府が第一位になりました。ただし件数では依然、奈良県が64件と一位ということです。ちなみに建造物の国宝棟数ベスト5は、
1.京都府 72棟(51件)
2.奈良県 71棟(64件)
3.滋賀県 23棟(22件)
4.兵庫県 14棟(11件)
5.広島県 12棟(7件)
やはり長年文化の中心地であった近畿圏が上位を占めています。広島県には世界遺産でもある厳島神社などがあります。
なお、件数は同じ施設(寺社・城など)の場合は原則1と数えるが、指定時期が違うと別々に数えるために、棟数がより実態を表しているといわれるそうです。(以上、京都新聞2月24日朝刊から引用)
「国宝」「重要文化財」は文化庁が国内の美術工芸品(絵画、彫刻、工芸品、書籍・典籍、古文書、考古資料、歴史資料)および建造物から指定します。「重要文化財」のうち特に重要なものが「文化審議会」によって国宝に昇格されます。
先ほどのランキングは建造物の国宝でしたが、美術工芸品の国宝でみると、
1.東京都 274件
2.京都府 181件
3.奈良県 135件
4.大阪府 55件
5.滋賀県 33件
建造物・美術工芸品を合わせた国宝全てでは、
1.東京都 276件
2.京都府 232件
3.奈良県 199件
4.大阪府 60件
5.滋賀県 55件
と、東京都が第一位となっています。引き算すれば分かるように、東京都は建造物の国宝は2件ですが、美術工芸品が非常に多くあります。
他に文化庁が指定する文化財は、
「史跡名勝天然記念物」:特別史跡、史跡、特別名勝、名勝、特別天然記念物、天然記念物
「重要無形文化財」:芸能、工芸技術
「重要有形民俗文化財」
「重要無形民俗文化財」
文化庁が選定するものは、「重要文化的景観」「重要伝統的建造物群保存地区」「選定保存技術」、
文化庁が登録するものは、「登録有形文化財(建造物)」「登録有形文化財(美術工芸品)」「登録有形民俗文化財」「登録記念物」があります。
詳しくは文化庁のホームページをご覧ください。
京都府にある建造物の国宝一覧(件別)です。ちょっと数が多いのでよほど京都が好きな方でない限りは読み飛ばして頂いた方が良いかもしれません。
左京区:賀茂御祖神社(下鴨神社)、慈照寺銀閣、慈照寺東求堂、南禅寺方丈
東山区:清水寺本堂、知恩院三門、知恩院本堂、東福寺三門、豊国神社唐門、妙法院庫裏、竜吟庵方丈、蓮華王院本堂
伏見区:三宝院唐門、三宝院殿堂、醍醐寺金堂、醍醐寺五重塔、醍醐寺清滝宮拝殿、醍醐寺薬師堂、法界寺阿弥陀堂
南区:観智院客殿、教王護国寺五重塔、教王護国寺金堂、教王護国寺大師堂、教王護国寺蓮花門
下京区:本願寺唐門、本願寺北能舞台、本願寺黒書院及び伝廊、本願寺御影堂、本願寺書院、本願寺飛雲閣、本願寺阿弥陀堂
中京区:二条城
上京区:北野天満宮、大報恩寺本堂(千本釈迦堂)
北区:賀茂別雷神社(上賀茂神社)、大仙院本堂、大徳寺、大徳寺唐門、竜光院書院
右京区:高山寺石水院(五所堂)、広隆寺桂宮院本堂、仁和寺金堂
京都府下:宇治上神社拝殿、宇治上神社本殿、平等院鳳凰堂、海住山寺五重塔、浄瑠璃寺三重塔(九体寺三重塔)、浄瑠璃寺本堂(九体寺本堂)、妙喜庵書院及び茶室(待庵)、光明寺二王門、そしてこの度指定された石清水八幡宮の合計51件です。
名だたる建造物が並んでいます。賀茂御祖神社、賀茂別雷神社、大徳寺のように寺社全体で国宝1件として指定されているような場合に、その中に複数棟の国宝がある場合があります。
文化庁の京都府移転がほぼ固まりました。今後も京都が日本の文化の中心地として続いていくよう一京都人として、努力したいと思います。