2021.11.06
不動産を売買・賃貸するときに、気になる情報の一つが「事故物件」かどうかということありますよね。
今回は、テナントに限らず、一般的な事故物件の取り扱いについてまとめています。
まず、知らない方に前情報。
いわゆる事故物件(専門用語で「心理的瑕疵」といいます)とはどういうものかというと、
自殺や事件、病死等、その部屋で人が亡くなられた物件のことをいいます。
過去にそういうことがあったものを事故物件として総称しており、一般的には賃料が廻りや他の部屋に比べて安かったりとなんらかの条件があり、それ専門で取り扱う不動産会社もあるくらいです。また、こういったサイトも有名ですね。
弊社のような不動産会社には、知りえた事実として告知する義務があるわけです。
※なお、知りえない場合はその限りではありません
今回、というか2021年10月に、国土交通省が事故物件の取り扱いについて一定の見解・基準を示しました(ガイドライン)ので、その内容を簡潔にまとめていきたいと思います。
まず、人が亡くなった物件とまとめてしまうのではなく、その中身を分類することになります。
その部屋で、自殺・他殺(事件)・事故死(不慮の事故を除く)等が起こった場合は、「告知事項である」としました。
逆に、一般的に多いと思われる病死や老衰(自然死)、不慮の事故死の場合は、「告知しなくてよい」となります。
不慮の事故とは、階段から足を滑らせたり、湯舟での溺死等ですね。
ただ、告知しなくてもよいのグループに含まれるものであっても、死後数ヶ月経っている等特殊清掃や大規模なリフォームが必要な場合や把握しておくべき特段の事情がある場合等、契約にあたってその判断に重要な影響がある場合は「告知事項である」ことになります。
次に、その告知期間です。何十年も前の出来事で、その不動産の処分すらできないのはやはり問題です。
京都でいうと、昔は戦場でもあり処刑場もあったわけで、ほぼすべてのエリアが事故物件エリアになりますしね。
今回のガイドラインでは、「概ね3年を経過した場合」という一定の基準を定めました。
もちろん、事件性や話題性が高く、社会への影響が大きい場合はその限りではありません。
この「概ね」というあいまいな表現はなかなか判断が難しいですが、一定の基準ができたことでいろいろな判断はしやすくなったかと思います。
上記①②である程度のガイドラインができていますが、そこで問題となるのが、病死や自然死への対策です。
病死・自然死の多い高齢者の取り扱いが問題となります。
※もちろん若年層だからといってないわけではないですが、割合の高さより今回は高齢者としています
何が問題かというと、上記①で触れた通り、病死・自然死は特段告知する必要のないものです。
ただ、高齢者の一人暮らしの場合、身内がいない若しくは遠くて普段からやりとりがないケースが多く、
万が一何らかの理由で孤独死した場合、発見が遅れ、結果、特殊清掃となってしまい告知事項に該当することが考えられます。
そういった理由により、今よりもいっそう高齢者の入居が難しくなることが考えられます。
物件のオーナーとしても、告知することで収益がマイナスになることを嫌うのは当然の流れかと思います。
逆に言うと、高齢者専用の住宅などの需要はもっと高まる可能性もあります。
今、世の中には情報があふれており、真贋不明な内容も飛び交っています。
事故物件でないのに事故物件と噂され、結果入居者がいなくなることも考えれる社会です。
SNSを筆頭に簡単に情報が飛び交う現代では、それらに対する対策も考えなければなりません。
今回のガイドラインは一定の基準や見解は示したものの、万全のものでもありません。
事故物件という表現がよくなくて「心理的瑕疵」という表現にしていますが、一般の人にはわかりづらいですし、
まだまだ議論はしていく分野かと思います。
国土交通省のHPリンクを下記に貼っておきますので、まず一通り目をとおしていただければ助かります。
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo16_hh_000001_00029.html
あ、あと宣伝ですが(笑)
弊社スタッフおすすめ物件のリンクも貼っておきますので、ぜひご覧下さい!
本日は、丸毛が担当しました。