2018.06.15
そう、京都には国道1号が直角に曲がる交差点が3ヵ所あります。
・・・それがどうした、とは言わないでください。
本日のテーマは「国道1号が直角に曲がる交差点」。
国道に関するトピックの中でも、相当にマニアックな領域になりますのでくれぐれもご注意ください。
さて、、、
京都には、国道1号が直角に曲がる交差点が3ヵ所もあることを皆様ご存知でしたでしょうか??
★通説では国道1号が直角に曲がることはあまりないそうです。
★それが3ヵ所もあるとは、いったいぜんたい京都とはどういう町なのでしょうか??
★そして、本当に国道1号は直角に曲がることは少ないのかどうか、検証してみました。
現行の道路法により「一般国道1号」と指定されている彼(か)の国道。
これは1952年に施行された新道路法により「一級国道1号」と指定されていたものが、
1965年の法改正によって、一級・二級の区別がなくなった後の名称です。
そして、国道1号がなぜ直角に曲がることが少ないとされているかというと、
国道1号クラスの主要幹線道路ともなると、車が道路をスムーズに走行することを極限まで求められるため、
山を切り開き、橋を架け、既存の田畑や住宅すら移転させて新たなルートを作る(いわゆる換地)ことが盛んに行われるからです。
そうして、かつての「東海道」にはあったはずの、幅員の狭い道や急カーブ、右左折箇所などが徐々に無くなっていったのです。
そういった経緯で多くの都市では、国道1号などの主要幹線道路を優先して都市の形の方を変えて行ったのに対し、
1000年の都、我らが京都は国道1号の立ち退き要請に、やすやすとは応じませんでした。
現在に残るその証拠が「国道1号が直角に曲がる交差点」なのです!
それでは具体的に京都市内で国道1号が直角に曲がる地点を見てみましょう。
(堀川通を北から)
言わずと知れた京都最強交差点。
国道1号が左から正面にキレイに曲がっております。
そして右に進めば国道9号。
3方向全てが1桁国道とは、この道路標識も”最強”と言って過言ではないでしょう。
(あるいは全国最強かもしれません。)
国道9号の起点は、ここよりもう少し左(東)の「烏丸五条」交差点で、
僅か700mの重複区間を過ぎると、国道1号は山陽方面へ、国道9号は山陰方面へと大きくルートを隔てます。
なお、堀川五条は全方向が常時左折可となっている珍しい交差点です。
(九条通を東から)
ここでも美しく国道1号が直角に曲がっています。
堀川通を道なりに京都駅を過ぎると「油小路通」と名称を変えます。
油小路通を少しだけ南に下った「九条油小路」。ここで国道1号は西に折れます。
なお、道なりに油小路通を南に進むと京都外環状線との交差点(下三栖)から国道1号バイパスとなり、門真市まで続きます。
(九条通を西から)
素晴らしいキレで曲がっています。
写真を撮っている地点は、九条通を少し西に行った国道171号上。
京阪国道口は国道171号の起点で、京都府道143号四ノ宮四ツ塚線の終点でもあります。
左前方には五重塔で有名な「東寺」があります。
また、京阪国道口から国道171号を西に少し行くと、こんな史跡が・・
平安京の「羅生門跡」。
かつて平安京を守った正門も、今や跡形もなく、奥には普通に公園があったり・・
哀愁漂うお姿です(+_+)
この3ヵ所を考察するに(というか妄想かもしれませんが)、
京都の碁盤の目と東寺の勢力が関係していると思えてなりません。
つまり、国道1号は滋賀方面から大阪方面へ向かう際、
京都市内に於いて西から南に方向転換をしなければなりません。
こういったケース、多くの主要道路ではRの大きなカーブで距離をとりながら方向を変えていくのに対し、
碁盤の目が出来上がっていた京都では、カーブを造れなかった為、直角交差点にならざるを得なかったのではないか?
また、西から南への方向転換なら3ヵ所も必要なく、1ヵ所の直角交差点で良いはずです。
例えば、五条通と壬生通(壬生川通)を直角交差点としたルートをとることができなかったのか?
ただ、このルートを地図上で見ると梅小路公園及びJR線で分断され、さらに東寺のすぐ西側を通っています。
梅小路公園は跨ぐなり、くぐるなりが出来ますが、壬生通(壬生川通)の拡張に関しては、お寺との兼ね合いが如何ともし難かったはずです。
そして、戦争中に道路拡張された五条通・堀川通をルートとして採用したのでしょう。
ちなみに、堀川通は西本願寺の門前では蛇行している程です。(烏丸通も東本願寺前で蛇行しています。)
そして、果たして本当に京都は国道1号が直角に曲がりすぎているのか・・?
次回、国道1号現道638.8kmの全区間から検証してみたいと思います。
本日は辻が担当しました!