2020.07.04
7月を迎えた京都。
例年であれば、市内中心部、中京区・下京区の町々では祇園ばやしの音がやかましいほど鳴り渡る季節ですが、
今年は寺町通や四条通のアーケード内で、録音の祇園ばやしが鳴るのみ。
京都人としてはなんともさみしい夏の訪れとなっています。
2020年の祇園祭開催について、時系列で振り返ると、
まず、4月20日というかなり早い段階で、「山鉾巡行」は中止ということが決まりました。
同時に山鉾の「曳き初め」、神幸祭・還幸祭での「神輿渡御」も中止が確定しました。
しかしその後は、山鉾巡行以上に人出のある「宵山」「宵々山」や、
ちまきの配布、山鉾建てなどについての続報は無く、なんとも寄る辺ない日々を過ごしておりました。
ようやくその続報が届いたのが、6月後半になってから。
6月20日には、長刀鉾に乗る稚児と禿2人が選ばれないことに。
これにより、7月1日に祇園祭の幕開けを告げる「お千度の儀」には、稚児と禿の姿は無く、役員数名のみでの開催となりました。
また、7月2日になりようやく「山鉾建て」は中止、宵山も実施せずということが決まりました。
厄除けのちまきの配布も縮小されるようですが、毎年最も人気のある「長刀鉾」のちまきはネットで授与されるようです。
このように、今年は観光イベントとしての祇園祭は一切行われなくなり、
これによる経済的損失は186億円とも言われています。(関西大学 宮本勝浩名誉教授)
祇園祭は疫病退散のお祭りです。
来年は何の問題もなく執り行われるよう、コロナの終息を切に祈っております。