2017.11.17
麗しき京都の町名。
上京区閻魔前町、中京区天性寺前町、下京区扇酒屋町・・・
これらの住所を聞いて、
「あ、千本鞍馬口辺りの・・」とか「市役所からちょっと下ったらへん」とか「四条烏丸近くですね」
などとすぐに反応出来たら、もはやあなたは京都通として相当の域に達していると言えるでしょう。
京都の、とりわけ中心部は町が非常に細分化されているため、
地元民や不動産屋などでも町名ではどこか分からない事が多くあります。
それゆえ、町名はついでに付けるぐらいで、主に通り名を使った住所表記が主流になっており、
あえて町名だけで住所を表現する人はよそ者だと見抜かれてしまいます。
なぜ京都の町がそんなに多くあるかというと、中京区・下京区など昔からの市街地での町の最小単位は、
道路を挟んだ両側のみで構成しているためです。隣の通りに面した場所はまた違う町となります。
それこそ道を挟んだ10軒ぐらいの住宅だけで1つの町となっている場所もあります。
それぞれ約7㎢と極めて狭い上京区・中京区・下京区ですが、
上京区には581町、中京区には498町、下京区には517町もの町があり、(2009年時点)
平均すると、1町あたりの面積は約14,000㎡(約4,000坪)程度。
だいたい120m四方ぐらいの面積しかありません。
ちなみに、大丸京都店の敷地面積は約3,000坪、高島屋京都店は約4,000坪あります。
さらに、区内の大半が山間部である京都市左京区は約250㎢の面積があるにもかかわらず、
町数は574町なので、1町あたりの平均面積は上京区・中京区・下京区の約35倍もあることになります。
さて、それほど多くある京都の町で注目頂きたいのが「元〇〇町」町名。
元本能寺町、元悪王子町、元竹田町などなど。
いずれも歴史がありそうな魅力的な町名ですね。
今日はそのような町名を全て解説させて頂きます!
実は上京区に最も元〇〇町が多くあります。
参考:京都市上京区ホームページ
元四丁目なら今は何丁目?四丁目はどこにいったの?
と謎は尽きませんが、「上京区四丁目」という住所はありません。
由来は、かつて堀川元誓願寺にあった”誓願寺”から西に四丁目、
その誓願寺が移転してしまったので元四丁目となったのではないでしょうか。
智恵光院通寺之内下るに「伊佐町」が、
今出川通大宮西入に「元伊佐町」があります。
「伊佐」は、足利義輝の家臣野本式部少輔輝久の未亡人の通称であったという説があります。
七本松通今出川に「元観音町」があり、「観音町」はありません。
ただ、少し南に下った七本松通中立売に「一観音町」があります。
「一観音町」にある清和院の本尊は観音菩薩ではなく、地蔵菩薩であるため、町名の由来は不明です。
上京区・中京区・下京区にある18の元〇〇町とその由来をご紹介致します!