2021.03.06
店舗出店における判断指標は業種によって様々でしょうが、その地域の(夜間)人口を重要視する業種があります。
スーパー・ドラッグストアなど日用品販売を主体とする業種や、
パン屋、ケーキ屋、地域密着型の飲食店や美容室などにも当てはまりそうです。
さて、人口と一言で言っても、その中には、生まれたばかりの赤ちゃんから高齢者まで全ての人が含まれています。
一般に、高齢者よりも若いファミリー層の方が消費が多いと言われるので、単なる人口だけで測るより、より精度が高い指標があるかもしれません。
例えば、京都市でも東山区や山科区は高齢化率が高く、中京区や下京区は低くなっています。
そういった点を考慮した指標として、小学校児童数を比較することで、若いファミリー層の多い地域を調べてみました。
出典:京都市教育委員会 教育調査統計資料 令和2年5月速報値
現在、京都市内には、小学校が157、小学園が4、分校が1、分園が1、小中一貫校が8の合計171校(園)があります。
児童数は合計で60,414人です。
以下、小学校157校の統計です。
(行政区:校数、児童数、1校当たりの児童数、児童500人以上の小学校)
北区:17校、4,488人、264人/校、上賀茂・柊野・大宮
上京区:9校、2,858人、317人/校、新町・西陣中央・二条城北
中京区:11校、4,449人、404人/校、御所南・高倉・朱雀第一
下京区:8校、2,839人、354人/校、洛央
南区:10校、3,804人、380人/校、唐橋・吉祥院・久世西
左京区:19校、6,663人、350人/校、明徳・岩倉南・錦林・修学院
山科区:13校、5,534人、425人/校、山階南・大塚・百々・大宅
東山区:小学校はありません。
右京区:20校、8,518人、425人/校、嵯峨・常盤野・嵯峨野・太秦・西院・西京極・葛野
西京区:18校、7,425人、412人/校、川岡・樫原・松尾・松陽・桂川・桂坂
伏見区:32校、11,487人、358人/校、深草・藤ノ森・桃山東・日野・伏見板橋・伏見南浜・神川・久我の杜・羽束師
人口密度ならぬ児童数密度を行政区ごとに計算し人口密度と比較すると、
(行政区:面積、1㎢あたり児童数、人口密度)
北区:94.88㎢、47人/㎢、1,285人/㎢
上京区:7.03㎢、406人/㎢、11,710人/㎢
中京区 7.41㎢、600人/㎢、14,269人/㎢
下京区 6.78㎢、418人/㎢、11,625人/㎢
南区 15.81㎢、240人/㎢、6,257人/㎢
左京区: 246.77㎢、27人/㎢、683人/㎢
山科区 28.7㎢、192人/㎢、4,727人/㎢
東山区 7.48㎢、0人/㎢、5,432人/㎢
右京区 292.07㎢、29人/㎢、695人/㎢
西京区 59.24㎢、125人/㎢、2,584人/㎢
伏見区 61.66㎢、186人/㎢、4,610人/㎢
児童数密度と人口密度を比較すると、大まかな傾向は類似しているものの、
上京区・中京区・下京区は児童数密度が非常に高い、
中京区は上京区・下京区と比べてもより高い、
西京区は児童数密度が人口密度に比べて高い、
といったことが言えそうです。
これは行政区ごとの高齢化率とも相関がありそうです。
行政区ぐらいの面積を商圏とする業種に関しては、上記数値が参考になりそうです。
もう少し狭い商圏なら、児童数が500人以上いる学区が狙い目でしょう。
今回は各学区の面積までは考慮できませんでしたが、それも加味すればより精度の高い指標になると思われます。
本日の物件は地域密着型の物販店等にお勧めです!
本日は辻が担当しました!